東京医科歯科大 血管内治療科・脳神経外科 壽美田先生

東京医科歯科大学  血管内治療科・脳神経外科  壽美田一貴先生

1) HoloEyesを知った経緯は?

血管内治療学会で3Dプリンタに変わる技術としてホログラムを探していました。ホログラムの様に映し出して立体で見えるもので何か良いものがないか探していたとき、HoloEyesXRサービス(以下、HoloEyesXR)と出会いました。我々は血管の動脈瘤にカテーテルを入れるために、3Dプリンタを使って実際の血管のモデルを作り、マイクロカテーテルのシェイピングを行い、治療を実施していました。根本教授(東京医科歯科大学 脳血管内治療科)が早い段階から3Dプリンタを現場に取り入れていました。3Dプリンタ以前は、モニター上で3Dのように見える2Dを見ながらシェイピングしていました。HoloEyesXRを使えばMixed Realtyのアプリを作り、HoloLensで見ることができると知り、これだったら行けるのではないか、と思いました。

 

2) HoloEyesのサービスに期待していること
期待したことは実際の血管モデルが空間に浮かんでいて、そこにカテーテルを実際に重ねられるというこです。これが大きな利点だと考えました。3Dプリンタで作った血管模型は、横に並べてみることはできても模型とカテーテールを重ねることはできません。また、プリンタで出力しなくてもよいので、時間が掛からなくてよいです。インターネットの環境さえあれば30分待てば実際に使える状態にできるので、非常に期待が持てます。さらに必要な時間がもう少し短くなれば、さらなる活用が広がります。動脈瘤には破裂したものと未破裂のものがあって、今対象にしているのは、未破裂のものです。手術前に前もって検査をしたデータを使って、手術中にカテーテルのシェイピングをしています。時間短縮によって、急性期の治療にも使える可能性がぐっと高まります。3Dプリンタの時間短縮によって急性期の治療にも使えるという症例報告がかつてありましたが、それよりもさらに時間短縮される期待が持てます。DAICOMデータからアプリまで自動化できれば理想的ですね。

将来的には術室で患者さんにバチっとナビゲーションシステムの様に投射されると、飛躍的に使い方が伸びると思います。顕微鏡で手術をするので、顕微鏡に組み込まれると良いですし、HoloLensをかけて患者さんの頭を見ると、腫瘍がわかるというようなシステムがあるとものすごく良いです。オペ室で患者さんが寝た瞬間に、色んな所から投影されるという時代が来るのではないかと思います。根本教授も、「カテーテルシェイプだけでも有用だけども、これだけではもったいなさすぎる。もっと発展性がある」とおっしゃっていました。

 

3) 実際に使ってみた感想
HoloLensで投影したものと3Dプリンタの模型と重ね合わせてみたところ、サイズも形状も一致していましたので問題ありませんでした。HoloLensだと見えている血管にカテーテルを重ねた状態でシェイピングできるので、3Dプリンタ模型よりも使いやすいと思いました。
一点だけ懸念点を挙げるとすると、目の慣れが必要な事です。初めて使うときに、慣れるのに30分から1時間かかりました。気になったのはこの点くらいで、シェイピングに関してはどんどん使えるだろうという印象です。

 

4) 導入に向けハードルになりそうなこと
体に入れる前にシェイプしている使い方ですし、更に3Dプリンタ模型や他の方法とも見比べています。
金額に関しては、1例1万円なので、研究費でやる分には全く問題ないと思いました。このサービスをより多くの人が使えるようになるためにと考えると、市中病院が活用するときに、年間の運営費で出せるのか、別の財源が必要となるのか、そのあたりが課題になるかもしれません。

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壽美田一貴先生